リビングオーディオというのは専用のオーディオルームではなく、リビングルームをオーディオ兼用にしている部屋を言います。
専用のオーディオルーム構築はハードルが高いので、多くの方はリビングオーディオを構築されていると思います。
また、多くのリビングは縦長でスピーカーの左右の壁に余裕がないのが一般的です。 また、スピーカーの後方にも余裕がないはずです。
スピーカーをのびのびと鳴らすならば、スピーカーは小さくなってしまいます。 見た目を重視してかつグレードアップを考えると、スピーカーは
やや窮屈な存在になってしまいます。 音の再現としては、随分と損をすることなりますね・・・。 私のかつての六畳オーディオは、自部屋で
したが、その狭さに辟易としていました。 ただ、その狭さゆえにスピーカーをどうすればいいのかが解った気がします。
マンションにしろ戸建てにしろ、リビングルームをオーディオ兼用にするには様々な問題がありますね。 家族のいる場所なので、
家族の同意を得られなければ構築は難しいと思います。
リビングルームをオーディオ兼用にする場合、必要不可欠なのはテレビだと思います。
家族にとっては、テレビこそがリビングルームの主役なのです。 リビングルームが大きければ、どうしてもテレビは大型になります。
テレビ主体だと、スピーカーの置く場所は両サイドに追いやられるのが現実だと思います。
反射面が大きいテレビは、オーディオには全くもって鬼門です。 大きさに関係なく、スピーカーの間に反射物があるのはだめなのです。
テレビをその都度移動するのは現実的ではありませんから、オーディオ時には反射面を覆うなどの所作が必要になります。
これは必須事項ですね・・・。 調音パネルや吸音パネルを周囲に置くこともアリですが、スピーカーの間の空間が消えるわけではありません。
ここを誤解されないように・・・。 また、大きなスピーカーは直接的に音が飛び込んでくるので、そのままでも満足している人も多いと思います。
しかし、真ん中のテレビやテレビ台を撤去して聴いたならば、その違いに愕然とするはずです。
テレビやテレビ台を撤去できないのがリビングオーディオですから、音の再生としては6割を目標に手を加えて行くのが賢明です。
少なくとも、
スピーカーの間左右後方は50センチ以上が欲しい。
普通に考えてその場合、20畳以上になってしまう。
50センチ+50センチ+150センチ+50センチ+50センチ
それプラス、スピーカーの幅70センチ。
トータルで横幅が実寸4メートル20センチとなります。
テレビに、キルト地の覆いを作り被せます。
これでかなり違いが出ます。
可能ならば、テレビ台も覆うのが良いですね。
高域の乱反射が緩和されます。
これで音場が良くなるわけではなく、
実際に作成したキルト地の覆いです。
和室のシステムで、
スピーカーの間にテレビは置いていませんが、
横にあるので反射します。
テレビは43インチ。
和室のシステムですが、スピーカーを置くつもりで
設計してなく奥行が50センチしかありません。
壁間は2メートル20センチです。
パイプスペースの関係で、横幅も50センチ
狭くなりました(>_<)。 想定外です。
これは、オーディオラック設置直後。
音量を上げると、色々な反射音が耳につくということで調音パネルも持参して比較してみましたが、置き場所がないのです(>_<)。
本当は窓面に置きたいのですが、カーテンに引っかかるので断念・・・。 また、スピーカーサイドでは壁間が取れず、パネルより壁の奥行きが
少ないので設置はできません…(>_<)。 床の間を塞いでみましたが・・・。 吸音パネルではないので改善はされませんでした。
スピーカー間にテレビやラックがあると問題になるのは音場です。 ですから、音場の必要性のない音楽ソースでは気が付かないことが多いのです。
クラシックは音場型ですので、スピーカー間にテレビなどがあると阻害されてしまいます。 しかし、オンマイクのジャズやロックなどでは
音場という意識があまり働きませんから、気にしない人も多いと思います。 イージーリスニングやクラシック音楽、ピアノ曲などは
音場が良くないと良い響きの音楽になりません。 また、顕著に違いが出るのは、ヴォーカルです。 編集時にエコー処理されていますから、
音場型の空間でないと、きつめの音に聞こえてしまう恐れがあります。
この写真の和室の音は、それなりに鳴っていますが、我がオーディオルームの音とは、あまりにも違います。
とは言うものの、この和室のシステムは当初より随分と手を加え機器もグレードアップされています。
何事にも生活空間である以上、変えられない点は多々あります。
ただ、音楽再生時に邪魔になるものは極力排除するのがリビングオーディオ、そして60点再生システムへの道です。