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私のような超初心者でも、何故かショパン。
練習する曲は(クラシックで)ショパンが一番多いように感じます。
その短い人生が為か、その生きざまがどうしても知りたくなります。
それで、あちこちの情報から。ショパンの生きざまを知ろうとしました。
音楽は人の生きざまそのものと思っています。
ですから、曲を弾くにあたって必ず作曲家の背景を辿るのです。
クラシック音楽は、基本的に当事者はもうこの世にはいませんから
直接に知ることは出来ません。
ピアノを始めて、まず弾きたいと思ったのは 朝会社に入る前、
コーヒーを飲んで時間をつぶしていた時に
毎日のように天井から流れるノクターンでした。
それが、ショパンとの出会いだったと思います。
ネットでいろんな人の演奏を見ているうち、幻想即興曲に出会いました。
あーっ、と思いましたね。衝撃でした。
こんなに弾けたらどんなに素晴らしいことか・・・、そう思いましたね。
そうこうしているうちに、ショパンの難しさに気づいてきました。
そして、なぜショパンは練習本を出さなかったのだろうとか思いました。
ショパンの練習曲(エチュード)は少ないですね。
しかし、いずれもレベルが高い・・・(^^;)
そんな中ショパンの本が発売されました。
2015年8月1日発行 音楽之友社 | DVD付です。 演奏は高橋多佳子さん。 |
この本には、ショパンのピアノ演奏・練習についての人となりが詳しく綴られています。
ピアノは感情の表現であり、技巧ではないこと。
ピアノ教師として弟子に教えたのは、楽譜に合わせるのではなく、
弟子の技量に応じて楽譜を削除したとあります。
弟子に合わせて楽譜を作り直したのです。
またショパンは演奏のために、面白くもない練習曲を技量のために練習するのは、
結局本来のピアノが弾けなくなると言っています。
むむむっ(-_-;)。
ショパンはある意味(自由に感情のままに弾きなさい)
(楽譜通りでなくてもよい、あなたにできる精いっぱいの表現をしなさい)と
言っているように私には思えました。
ショパンの曲にはその時その時の思いが込められています。
ショパンはとっつきやすく、完成しがたい・・・、そうなのでしょう。
一音一音が大事だと言っているように思います。
ピアノ講師や先生が「ショパンは簡単な曲ほど難しい」というのも納得できます。
ショパンは粒をそろえて弾くことが全てではない、そう言っています。
ノクターンを練習するとき、私は月明かりに照らされた湖畔を思い浮かべます。
それは、ショパンがその曲を作った当時に回帰した思いなのかも知れません。
幻想即興曲は、ショパンが「この曲は自分の死後出版せず燃やしてほしい」
と言った曲です。 意に反し友人により6年後出版されました。
いつも考えます、何が気に入らなかったのだろうと。
この曲はメインテーマが、ゆっくりとした調べにあります。
それなのでしょうか・・・。
それとも早いパッセージが連なる導入部分なのでしょうか・・・。
私は最近、おそらくどちらも気に入らなかったのだろうと思うようになりました。
また、ショパンには遺作が結構あります。
これは生前に出版されなかった作品ですね。
ショパン:ワルツ19番 イ短調 「遺作」、とても好きな曲です。
簡単そうですが非常に難しいです。
ショパン:ノクターン第20番 嬰ハ短調「遺作」、こちらも大好きな曲です。
確かにどちらも哀愁がある曲です。
ショパンにとって、これは世に出す曲ではないと判断された曲と、
死後に見つかった曲の2種類がありますね。
いずれも遺作です。
どういう理由があるにせよ、生前出版されなかった作品には違いありません
ショパンの遺志に反し、ショパンを愛する人たちは遺稿を探し出し、
かつ遺志に反してまでも出版をしました。
それは、ショパンの偉大さでありショパンの楽曲のすばらしさを
示しているのではないでしょうか。
ショパンは天国で「やれやれ・・・」と思っているのかも知れませんね。
ショパンは当時、作曲家としての地位は低かったそうです。
基本ピアノだけで、オーケストラの作曲家ではなく、
一流としては認められず曲も酷評されたとあります((+_+))。
でも、ショパンを支持する人は沢山いた訳です。
※ 以下の楽譜例はインターネット・無料楽譜よりダウンロードし引用いたしました。
ショパン作品例
アレグレット嬰ヘ長調 マズルカ ニ長調
前奏曲変イ長調 モデラート アルバムの一葉 ホ長調
ソステヌート変ホ長調 (綺麗な響きの曲ですね) ラルゴ変ホ長調
ワルツ 19番 イ短調 (素敵な曲。簡単そうで難しいと思います))
ワルツ変イ長調
ノクターン第20番 嬰ハ短調 (言う事ありません、いいです。)
幻想即興曲 (定番ですね)
2つのブーレ ト長調・イ長調
ポロネーズ ト短調 (なかなかにいい曲だと思いますが・・・)
ポロネーズ変ロ長調 (なるほど・・・ある意味弾きやすいのかな)
楽譜例のない曲はYouTubeで聞いてみました。
下に私なりの感想が書いてあります。
私はどちらかというと、旋律重視なので 騒がしい曲や忙しい曲は好まないんです(-_-;)。
知らないという事は恐ろしいです。
また今日、新たな曲との出会いがあった気がします。
やっぱ、ショパン凄いし それを見抜いた人も凄いですね。
春 ト短調
作曲されてから100年も経ってから世に出た曲です。
少し物悲しいような美しいメロデイです。 カンタービレ変ロ長調
綺麗な響きの曲ですね。
変奏曲「パガニーニの思い出」イ長調
優しい響きの曲ですね.
ワルツ変ホ長調
煌びやかでとても綺麗な曲。
ワルツ ホ長調
なかなかにいい曲。
ヘクサメロン変奏曲ホ長調
ゆっくりとした右手と左手の掛け合いがいいですね。
メロデイは綺麗です。
マズルカ「ヴォウォフスカ」変ロ長調
死後70年以上経って世に出ました。
割とよく聞く曲ですね。 マズルカ「シマノフスカ」変イ長調
死後100年経っての公開。
アレグレット嬰ヘ長調 ・・・。
コントルダンス変ト長調
優雅な響きです。
フーガ イ短調
間違いなくフーガです・・・。
ショパンらしくないです。 葬送行進曲ハ短調op.72-2
どこかで聞く曲。長い曲ですね。 普段は弾きたくないなあ。
ポロネーズ変イ長調 ・・・。
ポロネーズ嬰ト短調
右手の高音部がとてもきれいな曲です。
ポロネーズ「別れ」変ロ短調
切ない響きですね。綺麗すぎる・・・。
これ、出版したくなかったの分かる。 前奏曲変イ長調
忙しい曲・・・。
ノクターン ハ短調
美しいメロデイが切なく響きます。
物悲しいです。 ギャロップ・マルキ変イ長調
なるほど・・・。 これはショパンらしくないかも。
もちろん全部の遺作を聞いたわけではありません。
しかして、今もなおこぞって演奏する曲は、良い曲には違いません。
全部がヒットするわけでもありませんし、いまいちの曲があっても当然だと思います。
私のような素人の初心者は、分かりにくい曲やパッと心に入らない曲は
練習しようとは思いません。
ですから、一通り聞いてみて やっぱそうなのかなとも思います。
出版するにあたりかなりハードル高かったのでしょうね。
弾きやすい曲は、どんなに複雑でも許容できる・・・。
しかし、弾きにくい曲は簡単でも難しい・・・。拒絶してしまうのです。
それをショパンは見抜いていたのかも知れませんね。
その他 ショパンの有名曲抜粋
ショパン:ワルツ第13番 変ニ長調 Op.70-3
ショパン:ワルツ第10番 ロ短調 作品69-2
ショパン:ワルツ第3番 イ短調 作品34-2
ショパン:「24の前奏曲」より第7番 イ長調 作品28-7 (太田胃散のコマーシャルで有名になった曲ですね)
ショパン:ノクターン第1番 変ロ短調 作品9-1
ショパン:ノクターン第8番 変ニ長調 作品27-2
ショパン:マズルカ第5番 作品7-1
ショパンは何が言いたかったのでしょう。
何を表現したかったのでしょう。
そして何を残したかったのでしょう。
ショパンは短い人生でしたが、その音楽は連綿と生き続けています。
ピアノに向かい、あなたの曲を弾くとき
音楽は時空を駆けるのです。