理科や生物で学ぶように、動物と植物には様々な違いがあります。
基本は動けば動物、動けないのが植物と認識されてきたようです。
この認識は、古代人類の頃からとされます。
植物は動けませんから、繁殖繁栄には植物ならではの戦略があります。
植物が生きるためには、水や太陽が必要であり。 いかにして太陽の光を浴びるかが
生存戦略となります。
多くの人が知っている、花などの向日性はその端たるものでしょう。
多くの樹木は上に伸びますが、
周りに何もない時と他に木がある場合では様子が異なります。
他に木がある場合は、その木よりもより高く伸び太陽を浴びるようにどんどんと
上に成長していきます。
樹木が密集していれば、混み合い光が当たらず枯れてしまう筈ですがそうはなりません。
樹木は互いの様子を見極めて、必要以上に他の木に食い入ることはしないのです。
各々の樹木の葉は重なり合うことなく、
また他の木に侵攻することもなく樹木と樹木の間には空間(=ギャップ)が出来ます。
互いに遠慮して成長していくのです。 まるで目があるかのように周囲を見ています。
これはクラウン・シャイネス運動と呼ばれるもので、
木と木は接触しないことを言います。 互いに忌避行為をするのです。
森を見上げると、必ず隙間ができている。 葉と葉も重なり合いを嫌います。
樹木は隣に木がある場合、互いに譲り合い大きな空間を占有します。
他方の木を追いやったりはせず、影響を受けない方向に成長します。
下の木は4列ですが、それぞれ譲り合い大きな木群を形成しています。
並んで植えられた樹木(=奥の木)は、互いを認識しあい上方へと伸びていきます。
葉により太陽光が遮られる部分は葉を枯らし、体力を温存します。
手前の木も太陽光の当たる幹は太くなりますが、バランスを取っており
他方の幹も枯れることはありません。
建物の横に植えられた樹木は、日の当たらない部分の葉は生長することはありません。
あらゆる動物は同一個体から進化して分化していますが、植物はそうではありません。
また、人類(=およそ400万年~)よりも古い起源をもちます。数十億年の単位です。
動物には動くがゆえに、目が必要です。
植物は動きませんが、何らかの方法で周囲やらを感知していると思われます。
植物の行動は摩訶不思議で、まるで見ているような行動に驚かされます。
動物は生存のために動きますが、動けない植物もまた確固たる生存戦略をもって
生きているのです。