音が悪いと言うのは、機器の場合。再生能力に限界がある場合を言う筈である。つまり、良い音とは原音に忠実な音である。
それでは、カセットデッキはCDに比べ取るに足りない存在なのであろうか。まず、CDの音を忠実に記録できるか否かそれを知る。テストはレベルを変え複数回行った。
CD楽曲には20000Hzまでの倍音が含まれていた。この山がなければ忠実な記録にはならない。
超高域ではレベルが低下している。
これではわかりにくいので、画像を重ねてみる。
10000Hz以上のレベルがなだらかに減衰しているが、いずれも波形は忠実に保たれていることが分かる。つまり、CDに記録された信号は残すところなく拾い上げている。
これは人間の聴力曲線に近いのでそれほどに問題にはならないであろう。気になるのであればほんの少し超広域を持ち上げてやればCDと同じレベルになる。
アナライザーで調べると、多くの曲は12000Hz以下であるが、20000Hzまで強い音圧の曲も存在する。
次にA2300SRの測定。
予想通り、圧倒的に帯域が広い。高域の落ちはほぼないと言って良い。周波数特性の測定では散々なSLHテープだが、楽曲の録音にはまだまだ使えそうである。
カセットデッキと違い、20000Hzをクリアしているから、CDの録音にも充分対応出来る。劣化はないと言って良い。
歪やノイズは増加するが、エアチェックやCD、レコードのコピーには充分な性能と思う。
かつて、レコードと生演奏のすり替え実験やカセットテープとレコードのすり替え実験などがオーディオフェアなどで行われたことがある。
これを見ると納得するであろう。何せ実験機は数十年前の機械なのだ。当時の性能が出ているとは思えないが、納得できると思う。
つまり、カセットデッキはCDに及ばないというのは間違いである。