とうとうシグマおカメラのユーザーになってしまった・・・・。実に長かった・・・。
今時のハイスペックカメラとはまるで違うカメラだが、結果は期待を裏切らない物であった。解像度は確かに素晴らしく、D800Eに勝るとも劣らない。とにかくレンズが素晴らしく良い。D800Eの場合は35mmF1.4の様なレンズでないと、充分な実力は発揮できない。それほどにこのDP2のレンズは素晴らしい。
書き込みに時間が掛かるし、JPEGの画像は解像度が甘いし、RAW現像は高性能PCを持ってもややかったるい。
tokyoはコアi7のPCにメモリ24GBを積んでいるが、それでも重いと思う。オートホワイトバランスはまずまずだが、夕方の光の弱い所では色が転んでしまうので、かなりの曲者と見た方が良いようだ。転んだ色はRAWで弄ってもなかなか思い通りには行かない。そういう場合は思い切って色を捨てモノクロ化をするしかないなと思う。
物の質感は恐ろしいほど良く出る。滑らかで素晴らしい。これはフイルム時代の6x7判などの大中判カメラの質感に等しいようだ。この質感は、残念ながら市場の一般的なデジタルカメラではちょっと出せないと思う。輪郭補正や収差など、基本的なことがキッチリできていないとこのような余裕のある絵にはならない。他のカメラにはモニターに写る画像と見ている者の間に、何かを感ずる。それで平板に感じられるのだろう。しかしDP2メリルの画像をモニターで見て、少し驚いた。透明度が高いのだ。
手振れが非常に少ないのでこれにも驚いた。室内でD600やD800で同じ被写体を撮っているが、手振れのオンパレードと言っても良いほどぶれる。しかしてDP2は数十枚撮っても手振れは数枚だけであった。1/30~1/50など気を抜くとすぐにぶれるシャッタースピードなのだが、なかなかに素晴らしい。晴天の撮影が楽しみである。
RAWを弄らずそのままJPEGで出力したもの。なんなくピントは合って、なかなかシャープに写っている。
驚いたのは左端の月。全くと言って良いほど収差が目立たない。レンズの素晴らしさと固定レンズの良さが良く解る。
下は月の300%拡大画像。
JPEGを切り出しさらにJPEG保存しているので周辺部が劣化しているが、なかなか素晴らしい画像と思う。
市街地の画像をD800Eと比べてみたが、D800Eは晴天日中でレンズは35mm。シグマDP2メリルは夕方撮影、45mm相当なので違いがあるが、解像度はほぼ拮抗。晴天同条件ならばシグマの方が解像度が良く思われると思う。
ただし、ニコンは35mmなのでやや不利ではある。それを考えても、両者の解像度は拮抗していると言って良いと思う。
良く言われることだが、このカメラは一般の人には合わないカメラだし、良さが解りにくいカメラだと思う。写真のこと(現像も含めて)が良く解って、作品としての写真を撮る人でないと無理なカメラだと思う。これは本当にそう思う。
D800やD600は押せば写るカメラなのだけれど、DP2などにはそんなことは期待しても無理である。D800の撮って出しの絵に近づけようと思ったら挫折する。まあ、どうにもならないと思うからだ。
しかし、この無骨なハコからはとんでもない絵「作品」が生まれるのだ。