温泉地のホテルは、シティホテルとは全く違うと考えて良いです。
温泉地のホテルには、当初から観光ホテルとして建設されたホテルと、リゾートマンションや会社の保養所などを改装して観光ホテルとして営業する場合があります。厳密に言えば、後者は伝統的なな観光ホテルとは言いません。
現在では、新たに大型の観光ホテルの建設は難しい状況にあります。ですから、有名観光ホテルは建設されてから長い年月が経っている事が珍しくありません。長い年月の間に、改修を重ね現在に至っている訳ですね。
多くのホテルは、昭和の時代です。平成に建てられたホテルでも、20年を経ているのは普通でしょう。平成の景気低迷期に沢山建設されたことはないと思います。営業上休業し全館の建て替えをすることは難しく、別館や新館など増築で凌いで来たと思われます。
昭和の時代は需要が多かったわけですから、必要でもあったのです。
現在のホテルのルーツは、温泉旅館であったりします。リゾートホテルを立てる会社が温泉ホテルを建てることは、珍しくありません。異業種の者が介入する事も、現在では普通でしょう。
ですが、温泉ホテルの原点はあくまでも旅館なのです。そのルーツが温泉地のホテルにはあるのです。
温泉地のホテルは、シティホテルとは全く違うと書きましたが、どこが違うのでしょう。何が絶対条件なのでしょう。
温泉地のホテルには、いずれも例外はありますが、
①温泉があります。
温泉であることが必須で、設備上露天風呂がないことも多いです。
②浴衣があります。
浴衣があり、館内はゆかたで過ごせます。ゆかたで外出ができる観光地もあります。
③土産品売り場があります。
土地の名産品があります。温千饅頭は定番です。
④食事の提供があります。
夕食・朝食の提供は必須です。
⑤娯楽施設(カラオケ・卓球)・ゲームコーナーがあります。
娯楽施設は必須ですが、人件費的に縮小廃止のホテルもありますが、あって当たり前です。
⑥マッサージ等の対応があります。
温泉の付帯設備としてあります。部屋への出張も可能です。
また、多くは、
⑦部屋に茶菓子があります。
土産品の中から、一人一個の提供があります。土産品で迷ったらこれを買いましょう。
⑧和室があります。
ホテルでも基本、和室は必ずあります。
和風旅館では、その他に
、
⑨仲居さんがいます。
お部屋のお世話担当です。人件費的に減らす旅館も多いです。
⑩番頭さんがいます。
ハッピを着て、出迎えや下足の世話、フロントを行います。
⑪部屋食が基本です。
テーブルは部屋食が基本の場合大きいです。三人四人以上はテーブルに乗らないので、別会場となります。
⑫階段が多い、多くは数寄屋造り等の二階建て止まり。
古き良き時代の名残りです。
⑬館内は板張り、または畳敷きが基本。
畳敷きが基本ですが、傷むために板敷が多いです。
⑭部屋数は多くない。広さはあるのが普通。
昭和の時代やそれ以前は一般住居も和室。普通の家でも、広縁や縁側がありました。
それ以上のゆとりを提供したのが、和風旅館なのです。
⑮庭園がある。
和風旅館にビルの壁は似合いません。旅館に庭園は欠かせません。
⑯露天風呂がある。
露天風呂があっての、旅館ですね。露天風呂は外にあるのが当たり前です。
そして、
⑰駅までの送迎バスや送迎があるのが普通。
多くの大型ホテルは、駅からの送迎バスを運行しています。旅館でも対応可能なところがあります。
⑱景観のある部屋があるのが普通。
眺めのいい部屋があるのが普通。現在では周りに住宅やビルが建ち、全く景観の望めないホテルや旅館も少なくありません。
高級シティホテルは、ホテル自体を楽しみます。また、そうでなければ意味をなしません。ビジネスホテルで良いのです。
高級シティホテルは、前述の項目がほとんど当てはまらないのが普通です。但し、温泉ホテルや旅館にはない物もあります。
それは何でしょう。
①豪華なエントランスやロビー。
建物自体と時空間にお金を掛けます。無駄な広さが必要です。
②豪華なカーペット。
ロビー・フロントはもちろん、宿泊階の廊下にもお金を掛けます。
③椅子・ソファーなどが豪華で傷みがありません。
④調度品が豪華です。
テーブルや鏡、棚のしつらえなどが豪華になります。
⑤風呂や洗面台が豪華です。
部屋のグレードが上がるごと、豪華になります。大理石の使用、金メッキ素材の使用など豪華になります。
⑥ハイグレード専用館や専用階、カードセキュリテイによる特別フロアがあります。
旅館の仲居さんに相当する、専用のコンシェルジュがフロアにいます。
⑦朝食や夕食ののルームサービスが利用できる。
旅館でいう部屋食がルームサービスです。普通朝食はバイキング会場などではなく、レストラン使用となります。
上級プランは、ルームサービスも可能になります。旅館等と違うのは、食材はかなり限定されます。
⑧大浴場や露天風呂はホテル内にはない。
スポーツジム併設で、大浴場やサウナ等がある高級ホテルもあり、スパ併設で各種浴場を利用できる高級ホテルもあります。
基本、別会計ですが利用付の宿泊プランも存在します。
⑨娯楽施設はありません。
娯楽を楽しむ場所ではなく、贅沢を楽しむ場所と言えます。
⑩宝石・洋品等のショップがあります。
デパートに行かなくても済む、有名店の出店も普通です。
⑪美容室、ホテルにより理容室があります。
高級ホテルのランドリーサービス(有料)同様です。
⑫結婚式場・披露宴会場があります。
定番です。前述の美容院・理容室が必須ですね。
⑬一部のホテルを除き、送迎バスはありません。
タクシーや自家用車が普通の交通手段です。徒歩客は珍しいです。
⑭食事は夕食がディナー、喫茶料金も群を抜いて高いのが普通です。
大概が夕食なし、あってもレストランです。さすがと言うほど高いです。最低でも7千円から、コースは1万円、2万円は覚悟しましょう。
喫茶も、ケーキ付きなら3千円以上が普通です。ハンバーグなど、単品軽食は2千円ぐらいからあります。
⑮宿泊費以外の出費がかかり、トータルでの費用はかかる。
前述のように、宿泊費以外に食事代が必要です。タクシー代も必要かもしれません。
このように、一流ホテル、高級ホテルは敷居が高いですが、受ける満足も大きいと思います。料金とサービスは比例します。
料金により部屋のゆとりも全く違ってきます。それをそぎ落としていくと、ビジネスホテルに行きつくのです。
ただ過剰な期待は、いずれの場合もしてはいけません。
気軽に行くなら温泉地、何年に一度は高級ホテル・・・。そうしたいですね。
※ あくまでも個人の感想です。情報は変動します。出発前に調べましょう。