知られざる温泉があります。
ラジウム温泉やラドン温泉がそれです。周知の通り、ラジウムやラドンは放射能線です(ラドンはガスです)。
大量に浴びれば被爆します。人畜有害なわけですね。
ところが実際にはそれらを使用した、ラジウム温泉やラドン温泉が全国に存在します。
ラジウムより、空中に放出されるラドンガスの方が多いですね。ですからラドン温泉が多いように感じます。
有名なのは、秋田県の玉川温泉ですね。観光地で有名なのは有馬温泉。
私は秋田出身ですが、玉川温泉は行ってません。ちょっと遠いです。まあ、湯治場以外の何物でもありませんし。
まあ、秋田県出身ですから玉川温泉と北投石は外せません。
がんや不治の病に聞くとの評判がありますが、正直なところ分かりません。個人の感想になるのかも知れません。
基本は岩盤浴で、外にむしろを敷いて熱い地面に直接横たわるのです。今は、玉川温泉の屋内に岩盤浴の施設があるようです。
この放射能線の内、ラジウムを含む鉱石が「北投石」と言う含鉛重晶石になります。世界でも二カ所、日本ではこの玉川温泉でしか産出されません。日本では1952年、本家の台湾では1933年に天然記念物に指定されています。
命名したのは日本人です。ホクトライトが学名です。玉川温泉だからと言って、北投石がごろごろ転がっている訳ではありません。地獄谷の噴出物が川底の石に堆積する、堆積物なのです。ですから川底にあります。成長はサンゴとほぼ同じです。
一年に0.2mmの速度です。
北投石は、大量のラジウムを含み放射能線を出します。この北投石を使用した温泉が熱海にもあります。
伊東園ホテル熱海館がそれです。使用している北投石は台湾産との記載があります。
場所は本館の風呂。人気の岩盤浴の手前です。風呂は狭いし、温度もぬるめです。
北投石は手のひら大、常時気泡が出ています。この北投石を知ってかどうか、体の不自由な人達や、術後の人達が沢山来ます。もちろん、即効性があるわけでもありませんから湯治のつもりで利用するのが良いのでしょうね。
伊東園ホテル熱海館の前の名前は、現在の本館が別館・ホテル湯治館そよ風、現在の別館は本館・熱海閣であったようです。
別館の風呂の方が広いですが、持病を抱えている人は北投石温泉の方が良いかも知れませんね。
北投石は天然記念物ですから、現在は絶対に採取出来ません。この台湾産の北投石は、天然記念物指定前の鉱石と思われます。北投石に代わる放射能線鉱石として、オーストリアのバート・ガスタイン鉱石がありますが、これは北投石ではもちろんありません。希少価値はありませんから、天然記念物にも指定されていません。
放射能温泉の効能についてはここでは詳しく述べません。放射線が人体に及ぼす影響は少なくないと思いますが、
どのように働くのかは解っていません。ボーダーラインがあるのは事実で、微量の放射線が何らかの形で効果を発する事も
あるかも知れません。人の知覚は人それですので・・・。 詳しくは、放射線ホルミシス効果だけ調べてください。
ラジウム温泉やラドン温泉は全国にあるのですが、普通の温泉旅館や温泉ホテルにはありません。
日本の主なラジウム・ラドン温泉は以下です。普通の温泉に対する比率は10%以下だそうです。
北海道:二股ラジウム温泉
秋田:玉川温泉
新潟:村杉温泉(五頭温泉郷)
福島:馬場温泉・母畑温泉
山梨:増冨ラジウム温泉
岐阜:ローソク温泉
兵庫:有馬温泉
鳥取:三朝温泉
島根:池田ラジウム温泉
この他にも20件以上の温泉があります。多くは温泉による療養を目的とした宿泊施設になります。
このうち、観光を主とした温泉ホテルが立ち並ぶ所は決して多くはありません。何せ山奥が多いのです。
ラジウムは花崗岩の中に形成され、ウランが崩壊する過程で生成されます。このウランは日本では極少量しか鉱床がありませんが、
ウランそのものは河川の中などに微量ならどこにでもあるのです。当然ながら、水道水にもラジウムやラドンは微量に存在します。ラジウムは掘って出るのや、地下の湯だまりが湧いて出るのと違います。ラジウム鉱脈がないと、ラジウム温泉やラドン温泉は出来ません。。
ラジウム温泉やラドン温泉は鉱脈を通り、噴出するものなので、源泉に放射能成分が含まれるのです。
家庭の風呂に、鉱石を買って入れてもラジウム温泉と同様の濃度にはなることはありません。過大広告が問題になった事がありますね。
通販には充分お気をつけください。平成20年東京都の調査報告書があります。
伊東園ホテル熱海館本館の北投石温泉は、普通の温泉に天然の北投石を投入し、
わずかながらも温泉中にラジウムを溶出させたたラジウム温泉になります。そこだけ、小さなラジウム温泉・・・。
もちろん、私は入りますね。ここだけだから。濃度のほどは分かりませんが、天然温泉には間違いありませんから。
知られざる温泉ですね。