天気は晴れときどき曇りのまずまずの天気、早速テスト撮影に赴いた。
バッテリーは一時間ほどで無くなり、スペアに交換、撮影枚数は189枚であった。この時点でバッテリーの残量は半分位。
撮影は非常にスムースである。これはズームが無いことによると思う。迷いが無いのだ。
曇天に近い空模様であるが、手振れは皆無であった。ピントも外れず非常に使いやすい。
書き込みの遅いのと、それによる撮影の待ちは慣れてしまえばどうということもない。ポンポンと連写するカメラではないのだと割り切れば良いのだ。
帰ってRAW現像をしてみたが、期待に反せずシャープで満足の行く結果であった。
色調はあっさりと渋め。風景モードが見た目に一番近いようだ。露出はややアンダーからややオーバーまで多少ばらつくが、一眼レフと比べて特別ばらつくという程でもない。
色調はニコンが鮮やかなベルビアやプロビアだとすれば、DP2メリルはコダックのコダクロームのような感じがする。
ただこくがあるという訳でもないので、その辺は微妙だ。
RAW現像ではパラメータを弄るとかなり印象の異なる画像になる。これは元のイメージをしっかり捉えていないと、作品に昇華するのは難しいと思う。
プラスチックや車の塗装など光物やツルツルしたものの再現性はずば抜けてよい。収差が良好に補正されているので、画面は隅々までクリアーで鮮明である。等倍での画像は驚くばかり。
普通に撮るならニコンのカメラだが、DP2メリルは明らかに作品だけを撮るカメラだと思う。
焦点距離に制限があるだけで、難点はそれだけかも知れない。
ズームの利便性や望遠、超広角など、使用目的によってはもちろん一眼レフカメラには及ぶまでも無い。
これが、一眼レフカメラとの棲み分けになるのだろう。
DP1、2、3と揃えたシグマの戦略は実に正しい。
これらのカメラの魅力に惹かれた者は、恐らく三台とも買うのではないだろうか。
いや・・・、買うべきなのだろう。
雑踏の街に、右を向いても左を向いてもコンパクトデジタルカメラで撮っている人ばかり。
その中でDP2メリルをかざしても全く違和感は無い。
しかし、このなんの変哲も無い黒いハコがとんでもない絵を作っているだろう事は、誰にもわからないことなのだ。