皆さん周知の通り、オートニッコールなど古いレンズにはニッコールのあとにアルファベットの記号が付く。
レンズ枚数表記と、多層膜コーティングの有無である。
これは、後年のSタイプレンズなどとは全く関係がない。
S 7枚構成
3.5cmF2.8、35mmF2.8、50mmF1.4、55mmF1.2、5.8cmF1.4
5cmF2、50mmF2など
H 6枚構成
2.8cmF3.5、28mmF3.5、50mmF2、85mmF1.8、300mmF4.5 など
H・C 6枚構成COATED LENS
50mmF1.4など多数
Q 4枚構成
135mmF3.5、135mmF2.8、13.5cmF3.5、
20cmF4、200mmF4など
P 5枚構成
105mmF2.5、10.5cmF2.5、180mmF2.8、400mmF5.6など
N 9枚構成
24mmF2.8、5cmF1.1、35mmF1.4(C)、28mmF2.8(C)など
OC 8枚構成COATED LENS
35mmF2など
O 8枚構成
2.1cmF4など
QDC 14枚構成COATED LENS
15mmF5.6など
UD 11枚構成。
20mmF3.5など
COATED LENSは主に以下の種類があった。
SC、HC、QC、OC、QDC、NC、PC
など、レンズ枚数記号の後にCが付く。
レンズ構成はそのままに、多層膜コーティングをしたものが主である。
50mmF2クラスは標準鏡玉であり、F1.4は高速度鏡玉と呼ばれた。
<補足>
ニコン資料によると、ニコンの社名とレンズの名称が決定されたのは1946年とある。
それによると、
小型カメラのレンズは「一般写真鏡玉」と呼ばれ、
レンズの一枚を単に玉ではなく、鏡玉と呼んでいる。
二枚鏡玉:D デュオ
三枚鏡玉:T トライ
四枚鏡玉:Q クォード
五枚鏡玉:P ペンタ
六枚鏡玉:H ヘキサ
七枚鏡玉:S セプタ
八枚鏡玉:O オクト
と称することが決められたとある。それぞれの数を表す頭文字を単に記したものである。
なお、鏡玉に増透処理を施したレンズはその記号の次に赤字Cを記すとしている。
NIKKOR-Q・C と例がある。(以上ニコン資料)※ 透処理を施とはコーティングのことである。
ニッコールS用レンズ。規定通りにCは色分けされている。(以上ニコン資料)
ニッコールS用レンズ。 (以上ニコン資料) |
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これもS用標準レンズ。
規定通りにCは色分けされている。
(以上ニコン資料)
明るいレンズは前述の通り高速度鏡玉であり、ミノルタのレンズなどに見られるハイスピードの文字は
ここから来ているのである。