暫くぶりにコンパクトデジタルカメラを購入。(あっ、ゲストのね)
予算に限りがあり、目当ては再や酢のもとい最安のソニーの1600万画素カメラであったが、
あまりの小ささに却下されてしまった。キヤノンの1000万画素なども良かったのだけれど、どうも説得力がなし。
小さいのはやはり使い難い。概して大きいのは高い。いざ買うとなると結構うるさいのである。
あれこれ見たが決まらず、目に止まったのがCOOLPIX S8100とS5100であった。
S5100とS8100は実売で8000円の差・・・・。
結局は液晶モニターの大きさや仕上げの良さでS8100に決定した次第。
裏面照射CMOSなのじゃ。あはははは。
色は当初シルバーか黒と言っていたが、赤(ワイン系)になった
決め手は液晶の綺麗さ。これはダントツであった。色々見たが、青かったり黄色かったりマゼンタに寄ってたり
なかなか良いのがなかった。あとは動作。ボタンも軽くタッチも良く、まあまあ軽快である。
それと一眼レフに通ずるボタンの配置など、D90から乗り換えても違和感が少ない点。
気になるのはポップアップのストロボの位置。どうにも人差し指がかかってしまう、これは改善して欲しいな。
少々出っ張ったレンズバリアーもやや不安がある。背面のボタン類は直感的でとても使いやすい。
ダイヤルに割り当てたモードも適切で、さすがにニコンと思う所だ。
D90が1200万画素で、S8100も1200万画素。CMOSの大きさは親子ほど違う。
はたしてS8100は一眼レフのサブカメラに成り得るのだろうか、これは興味のある所であった。
片や一品料理、こちらは幕の内。それぐらい違って当然であるが・・・。
35mm換算で30-300mm。
8群12枚構成。EDレンズ2枚使用。裏面照射センサー。
VR機構。EXPEED C2採用。
「実写画像」
歪曲は非常に少なく、単焦点20mmをも凌ぐ。安心して建物が写せるカメラである。(-0.7補正)
上の場面の望遠端(300mm相当)。充分な画質である。(-0.2補正)
完全な逆光。驚くほどすんなりと写ってしまう。枝の描写は緻密で繊細である。(-0.7補正)
色の淡いものがどれだけ再現できるか試してみた。
ビルのタイルなどにも収差は見られない。補正は完璧と言ってよい。(-0.7補正)
遠景が逆光で潰れるかと思ったが、それは杞憂であった。
突き当たりの風景も破綻がない。
画像自体は非常にシャープで、良く写る。
一眼レフとの比較では、シャープネスを最大に効かせた状態の画像とほぼ同レベルの画像となる。
シャープが故に平板に感じられるかもしれない。これはコンパクトデジタルカメラであり、使用者層が違うので仕方がない。
拡大すると画像は破綻しており、これはこのサイズの撮像素子とレンズの限界である。
シャープネスは強いが、線はかなり細く600万画素クラスのカメラの線の太い画像とは一線を隔する。
標準での色合いは控えめで好感が持てる。旅カメラには充分すぎるほど高性能なカメラである。
被写界深度の深さを生かして撮るのがコンデジの使い方と思う。重い一眼レフに単焦点の広角レンズを付けて撮るより、
はるかに楽である。RAW現像が出来ないのが残念であるが、JPEG画像は完成度が高く不満はないと思う。
「解像度の比較」
縦横の縞の模様を写して見る。何れもストロボ照射。同距離にて撮影。
S8100による接近画像。(テスト画像)
格子の中に、より細い線が入る。撮影距離は1m弱。素晴らしくシャープである。
この距離から1.5mほど離れて撮影する。
D90(1200万画素)、AF18-70mmED
格子の中は全く解像しない。ローパスフィルターの弱点が露呈している。シャープネスを上げても解像はしない。
シャープネスの極めて足りない画像である。ノイズを押さえ込んだ、コンパクトカメラとは全く違う処理の仕方である。
撮像素子の性能も、レンズの性能も出ていない画像と言える。
しかし、人間の目はがちがちに解像するわけでもなく、実際にはこのような感じでしかモノを見ていない。
そういった観点からすると、この感じも捨てたものではない。
素材の柔らかさなどの表現は、解像度だけでは再現できないのも確かである。
D100(600万画素)、18-70mmED
格子の中は全く解像しない。
しかし、600万画素と考えると1200万画素と大差ないのに驚く。
全面に偽色が発生しているのが解る。ベイヤー方式の撮像素子が、全てを駄目にしているのが解る画像である。
S8100(1200万画素)
最もシャープネスが強いだけに、格子の中も解像している。偽色は発生していないようだ。
このささくれ立った画像は、意図して作り上げられたものだが、解像感には貢献している。画像を滑らかに描写するのではなく、荒らすことにより解像度を高めている。いわゆる高周波成分が多い。
のっぺりとした画像ではなく、軽くサンドをかけたような画像と言える。
肉眼で見てもほとんど同様で、真ん中の縦縞の線はほとんど見えない。
目を凝らして、やっと横じまが解る程度であるから、このカメラは人間の解像度とほぼ同じ解像力だと思われる。
ここが1200万画素の限界でもある。
S8100は小さい割には、相当健闘していると言って良いのではないだろうか。
キッチリととても良く写るのだが、やはり何かが足りない。それは、味だったりこくだったりする。
それをこのカメラに求めるのは、それこそ酷なことなのだろう。
なるほどのう、時代の進歩じゃのう。
またじゃ。