タムロンは1996年発売。当個体は当時新品で購入したものである。
デジタルでは色収差が目立ち、ほとんど使っていなかった。シグマは中古で購入、ソニーα350にて使用している。
確かにデジタルカメラで撮影して大型モニターで鑑賞するには厳しいが、フイルムで撮影し大伸ばししないのであれば充分に使えた。
そんなレンズを検証してみよう。
絞りはF8固定、RAWで撮影し露出のばらつきは適度に補正した。
使用カメラD90(タムロン)、α350(シグマ)
70mmシグマ。
収差も目立たず素晴らしい描写である。↓
300mmシグマ。
全体に甘くなるが、色収差は少ない。前ボケは良いほうだ。↓
上の写真の部分拡大。色の滲みはないが陽炎のように崩れが激しい。さざ波状に画像が崩れている。
400%に拡大すると、リング状のボケであることがわかる。無限に焦点が合っていないためであろう。↓
70mmシグマ。
全く破綻のない描写で、言うことはない。↓
70mmシグマ。
問題なくシャープである。やや色が浅い。↓
上の写真の部分拡大。かなりピントが甘い、というよりボケている。背景がボケており被写界深度が浅いようだ。
↓
ボケがかなり大きい。
残念ながら、ボケの出具合ははややうるさい。
どうやら少しピントが甘いようである。
これが望遠でさざ波状の崩れを出す原因であろう。
70mmシグマ。
やや中庸な写り。↓
70mmシグマ。
色のリが薄いが写りは中庸であり問題がない。
70mmタムロン。
収差も目立たず、非常にシャープな写りである。↓
300mmタムロン。
かなり色収差が出て、甘い写りである。手前のボケがうるさい。↓
上の写真の部分拡大。色の滲みが多いが崩れが少ない。
シグマの4分後の撮影である。軸上収差であり、全く補正が効かなかった。シャープさは残っている。判別も可能。この画像に輪郭強調を強く掛けて、400%で見るとシグマ同様の画像になる。↓
70mmタムロン。
輝度部分にやや収差がある。↓
70mmタムロン。
非常にシャープである。↓
上の写真の部分拡大。シャープに解像しており、滲みもない。どうやら被写界深度が深いようだ。絞りは同じである。
↓
ボケが少なく、
その分シャープな画像になったのだろう。
やはりピントが来ている。コントラストもある。
130mmタムロン。
ボケも柔らかだし、シャープさもある。文句なし。↓
300mmタムロン。
残存収差によりふわっとした写りである。
上の画像の部分拡大。収差がボケを大きくしているようだ。これはこれで絵になる。
総じてややコントラストが弱いが、補正は簡単である。よって、充分に実用になると感じた。ただ輝度差のある場面は苦手である。タムロンは補正が出来ない収差が残っているので、残存収差を生かす撮り方が良いであろう。
収差が残るものの、タムロンの方が総じていくらかシャープであった。
DLやらLDやら名前が付いているから、低分散ガラスを使っているようだが、補正はそれなりのようである。恐らく一枚であろう。外装は両者ともプラスチック製で情けないが、写りはまあまあであったのは間違いがない。
ただ、当該テストは絞りF8で行っている。F11やF16ではやや違ってくるだろうし、開放はもとより期待していないのでテストはしていない。現在発売のの両レンズは、これらのレンズとは一線を隔す性能であることをお断りしておく。
シグマAF70-300mmDLマクロ。
このレンズはα350用に買ったものである。当然中古である。
製造年は不明だが、10年以上前の製品であることは間違いがない。
タムロンAF70-300mmLD。
モデル名:372D。1996年発売。9群13枚構成。最短撮影距離1.5m。重量505g。発売時価格:47,000円。
F601実装の写真であるが、F90X発売後に発売されたレンズであり、実際はF90Xで使用した。トキナーの80-200mmがあったが、300mm域が欲しかったのである。じつに出番の多いレンズであり、友人・知人にも貸したりした。非常に写りが(当時として)良かったからである。
色収差が望遠において画質の劣化を招いているのは疑いようもないが、通常使用で困るほどではない。
この辺がモノ造りの難しい所であろう。所謂普通の人にはこれで充分なのである。
いくらシャッタースピードが速くてもぶれは防げない。また、手振れ補正内臓でも初期のカメラはそれほど効くわけでもなく、ぶれの問題の方がとても重要である。アンチ三脚派ではあるが、300mmだとさすがに三脚を考えてしまう。
しかし、三脚もレリーズを使わないと全く意味がないのでこれも気が重い。カメラも重い。あはははは。