中古おレンズの使い方必見秘術
数十年を経た超中古レンズや曇りやカビの発生したレンズを使用するのは大変です。まず止めた方が良い。
レンズにダメージを受けたものはやはり使い物にはならないのです。レンズは新品に限るのです。
まてまてまてーぇい。まてーぇい。
わしじゃよ。わしじゃ。
なんだと、曇りの発生したレンズは使い物にならないだと。あははははは、ちゃんちゃらおかしいわい。
下の写真を見てみろ。
どうじゃ、普通に写っておるじゃろ。そのまま使おうとするからいかんのじゃ。なんのために現像するのじゃ。
近ごろは現像ソフトがあるじゃろ、文明の利器は使ってこそなんぼなのじゃ。違ったか。
下の作例はカラーをモノクロにしておる。バランスをとるためにコントラストやガンマをちょいといじっておる。
それでおしまいじゃ。あははははは。
この曇ったレンズがどれだけひどい描写をするか下を見てくだされ。
あーひどい画像ですねえ。全部こうですか・・・。
そうじゃ。レンズが曇ったものは乱反射を起こしてこのようになるのじゃ。
レンズ自体は非常に優秀じゃから補正をすればわけはない。
下が見た目に近いように補正した画像じゃ。物凄い強風で雲が垂れ込めていたぞ。
どうじゃわかるじゃろう。あははははは。
こんなもんだわい。
すべてのコマがこのようになるのでついでに一枚。
下がほぼ見た目に近い仕上がりとなったぞ。さすがに古くてもニッコールじゃのう。わかったかのう。現像は見た目に近く再現してはじめて終了なのじゃ。人任せも機械任せもいかんぞ。カメラもレンズもこのように立派に仕事をしておったのじゃ。
手を抜いては写真家とは言えんぞ。あははははは。
(ニッコールAi35-70mmF3.5、1977年12月発売。発売時価格\95,000。)
ニコンF2の時代です。オートフォーカスなぞなかった時代の標準レンズなのであります。
1977年ニコンAi方式元年のフルラインナップのひとつでした。33年前貴方は何をしていましたか。
時代を経ても実用になる設計の確かさには感嘆せざるを得ません。
つづく
次はふつーの中古レンズですね。
普通の中古レンズなら普通に写るんですね。
いやいや、そうはいかんのじゃ。十数年も前のレンズだと使い方がちと違うのじゃ。
使い方というと?
絞りじゃよ。昔のレンズは開放からきりっとはいかん。開放ではフレアーぽく、ある程度絞るとキリリとシャープになるんじゃ。しってたか。知ってますよそんなこと。常識でしょ。
あははははは。さすがだのう。そればかりではないぞ、古いレンズには他の面もあるのじゃ。それを教えようぞ。
それでは、1986年に発売されたニコンAF70-210mmF4-5.6を例に見てみようぞ。この望遠レンズは、ニコン初の本格オートフォーカス一眼レフカメラの望遠レンズとして発売されたものじゃ。
まずはふつーの作例じゃ。(モノクロ化しております。)
ニッコールAF70-210mmF4-5.6 ニコンD100
このレンズはいわゆる直進式ズームレンズですね。カメラを下に向けて歩けない・・・・・。
そうじゃのう確かにそうじゃった。まあ写真家はそんなことあまり気にせんのじゃがのう。
作例はあえてモノクロにしたがカラーもなかなか素晴らしいのじゃ。
絞りは開放に近いF4.8、135mm相当で撮っておる。この柔らかさは昨今のデジタルカメラとレンズでは
なかなか出んのだ。わかるかのう。残存収差が柔らかさを出すのじゃよ。
レンズの妙味なのじゃ。
ニッコールAF70-210mmF4-5.6 ニコンD90
上が開放、下がF10まで絞っておる。絞りの差は被写界深度に現れるが開放ではパイプの部分に
強烈にパープルフリンジが出ておるのじゃ。F10まで絞った下では解消されておる。
デジタル専用のレンズにはない柔らかさがある。
ただ使い方は難しいのう。
さてもう一枚じゃ。やや露出オーバーなのでやや露出は切り詰めた。上が絞りF10で下がF5.6。いずれも望遠端の210mmでの撮影じゃ。違いがわかるじゃろうか。なんかぼーっとしてますね。じじいのように。なんですかこれは・・・。
いやいやなんとでも言え。これはのう、擬態じゃよ植物の擬態じゃ。ぼけっ。
わからんじゃろうのう。
このサイズでは違いは確かにわからんじゃろう。やはり望遠端の開放F5.6ではフレアーや収差が出まくりなのじゃ。
それが輪郭に滲み出て小枝を柔らかく描写しておる。まさにレンズの妙味なのじゃ。補正しすぎると味が抜けてしまうのじゃ。わかるかのう。
このように、レンズは使い方でどのようにもなるのじゃよ。
古いレンズでも恐るるに足らんのだよ。要は使い方なのじゃ。また使うのが写真家なのじゃ。(いいこというなあ)絶対的な写りは300mmF2.8なぞには絶対に及ばん。それで良いのじゃ。300mmF2.8ではこのようには写らん。逆も真なり、そういうものなのじゃ。(ああいいこというなあ)
それで、じゃわいぢいさん今日の収穫は?
あひゃひゃひゃひゃそうじゃったそうじゃった。それがのう空振りじゃったあはははは。
五千円で買えるものなぞなかったわい。だもんで寝るぞ。
さらば、またじゃ。