じつは、カシオQV3500EXは手放せないカメラになってしまいました。
いや、使えば使うほどに難しくしかし駄目かなと思うとしっかりしていて、ある意味一眼レフより
しっかりしている事に驚かされるのです。
フォーカスエリアは一点しかなく(色々設定はできるが)シャッターのレリーズも頼りなく、
おまけに動作が遅いので写っているのか不安はいつも付いて回ります。
しかし、驚いたことにピンとは正確で外れたことがほとんどありません。露出も極端な輝度差のある場合を除けば、多少の補正で事足ります。モニターは電池を食うのでおまけに小さくまあ役にはあまりたちません。
ファインダーはいまのコンパクトデジタルカメラの視野と変わりません。井戸の奥に頭を突っ込んだ感じです。
しかし、恐ろしいかなピンとは外れません。
それになんと言ってもレンズの明るさ。F2.0~2.5なんです。当時としてはまあ当たり前。
しかし、コンパクト化と高画素化の波に押され現在はそのような明るいレンズを積んだコンデジはありません。
F2.0と2.8ではもう表現力が全然違います。このカメラは最小絞りがF8.0ですが画素数が少ないので絞っても画質は向上しないようです。その点開放ではシャープなように思われます。
開放でのボケは2.0ならではで、残念ながら他のコンデジでは難しいと思われます。
今の使用者層から考えても、F2.0からのレンズを採用しても使いこなしは無理なのかも知れません。
何せコンデジは手ぶれを云々するレベルの人たちが使うものですから当然なのでしょう。
恐らくこの手のカメラはとっくに市場から姿を消していますので(探せば中古ではまだ本当はありますが)
貴重ではあります。F2.0~2.5なぞ一眼レフでも不可能。短焦点なら少しはあるけどズームでは無理。
今時の一眼レフレンズは相当暗いですね、ズームは2.8だと相当に高くて重い。でもこれ望遠側で2.5なんです、あなたのコンパクトデジカメはどうでしょう。
カシオがキャノンのパワーショットG2(400万画素¥115000)と同じレンズアッセンブリーを使用しています。どちらも当時のコンパクトハイエンド機でした。残念ながらカシオはもうこのような明るいレンズを持ちません。ちなみにG3、G5、G6ではF2.0~3.0となっています。F2.0~2.5はG1とG2だけなのです。
それとカシオのこの製品等に限られます。G7ではF2.8とスペックダウンしています。
しかし、
一般大衆をマーケットにする限りもう大口径レンズの採用はないと思います。
もちろん明るさだけが全てではありません。残念ながらレンズの歪曲収差は大きく、建物の撮影は困り物です。ある意味切り捨てたような所があり、以後このレンズが採用されなかった理由とtokyoは踏んでいます。
いいですか、F1.2 F1.4 F2.0 F2.5 F2.8 の開放値のなかのF2.0しかもF2.0~2.5ですよ。
コストダウンできません。そんで不採用。収差はレンズ増えるし設計大変だし、それになによりコンパクト化できずスリム化困難、使い廻しできず非効率。
そんな所でしょうか。
レンズは確かに凄いと思います。しかしさすがにCCDはついていけてません。画像処理も限界です。
しかし、出来上がった写真は画素の少なさを除けばまだまだ現役でいけそうです。
それより、このカメラの実力を引き出していない自分に情けなさを感じました。
ポジフィルム並にラチチュードが狭いカメラですから露出にはとても苦労します。
ファインダーの視野率は80%程度ですから、常に余計に写る部分を計算してフレーミングをします。
それがとても厄介で速写性を削ぎます。露出はシャッタースピードが1/1000までしかないので、高輝度の撮影は得意ではありません。空はすぐに破綻します。
困るのは、順当に撮れた時です。
いいなあと思いパソコンのモニターで拡大して見てはじめて、あ・・・300万画素だったんだとガッカリさせられます。
カシオの凄さやキヤノンの凄さを感じる瞬間でもあります。