ソニーは世界屈指と言うよりもダントツのシェアを誇る局用機器のメーカーです。
本日たまたま生中継の現場に遭遇しました。ハイビジョンカメラはソニー製。レンズは当然のごとくキヤノンの25倍ズームDIJISUPER25XS
。カメラはレンズシステムの半分程と非常にコンパクトなことに改めて感心しました。モニターも見やすくさすがスタジオタイプ。チョッと奥行きがあるのでブラウン管なのかも知れません。
時代の流れか、カメラ後部の操作部分のスイッチにトグルスイッチは見当たらずほとんどがボタンになっています。カバーのある部分があるのでそこを開けるとスイッチがあるのでしょう。
ただしキヤノン製のリモートズームユニットには小さなトグルスイッチが多用されていました。
局の仕様なのかレンズカバー部とカメラ部モニター部は同じ色で非常にスマートです。
局用のカメラは2/3インチ3CCDが標準となっていて、画素は230万画素程度。
水平解像度はHDTVで1000TV本程度とされています。
本日目撃分の価格は知りませんが、ハンディカムのオールインワンで900万円弱なので恐らくこのシステムはその数倍はするでしょう。
カメラの世界はいかに高いと言っても知れています。局用のシステムは億を超える単位ですから想像を絶しています。私たちが日常見ている世界中のテレビ映像はかなりのものがソニーの映像と言えるかも知れません。そしてレンズはキヤノン、そうでなければフジノン(富士フィルム)と言う事になるのでしょう。放送機器はもうほとんど、ソニー、池上通信機、日立、パナソニックなのです。レンズはキヤノン、フジノンなのです。キヤノンはカメラではなくやはりレンズのキヤノンなのです。しかしカメラはベータカムのごとくソニーのひとり勝ちとなるのです。
現在局用機器はデジタル化がすすんでいます。
カムコーダーのテープレス化もすすみ、ソニー以外のメーカーはテープレス化によりソニーを追い抜こうとしているようです。池上通信機と東芝はこの分野での協業を発表しています。パナソニックはP2HD方式というメモリーカードカメラレコーダーをメインにシステム構成してきています。
当然回転部分を持たないので、カメラもレコーダーもソニーの商品より安価になります。ハイエンドカムカメラにおいてその価格差は数百万円にも及びます。放送は局において製作から送り出しまで完了しますので、フォーマットが各社違っても全く関係はありません。他社製のものを再生する場合はダウンコンバートするかプレーヤーを用意するだけです。
tokyoが予測したように時代はフラッシュメモリーの時代に成って来ました。
ではデジタルテープは消えてしまうのでしょうか?・・・。いや、そうは思いません。
フラッシュメモリーはある意味、保存において非常に未知数です。テープの保存性は50年を超えると推測されます。非接触型の円盤メディアは機器個体差による読み込みが不安定で耐久性はテープには及ばないかも知れません。
さて、撮像子のことについて。
現在のカメラはCCD三枚による三板式カメラが全てと言ってよいでしょう。
tokyoが若年時は放送局がプランビコン(フィリップス社が開発)、一般がビジコン(RCA社が開発)であり後年サチコン(NHK・日立製作所共同開発)が開発されました。これらはすべて真空管であり頭の部分に電子銃をあて走査するものです。原理はテレビのブラウン管と同じものです。
この管径をインチで呼びます。基本がおよそ18ミリ、つまり2/3インチということになります。
現在コンパクトデジタルカメラには2/3、1/1.8.1/2などおよそ6種類がありますがこの表記は撮像管の外形を表しているのではありません。なぜなら2/3インチCCDの対角線長は11ミリとなります。これは撮像管のイメージサークルを表しているのであり、外径ではありません(ややこしい)。
いまデジタル一眼レフにおいて一番小さなサイズはフォーサーズですがサイズは17.3ミリ×13ミリ、コンパクト用の2/3サイズは8.8ミリ×6.6ミリしかありません。1/8については6.9ミリ×5.2ミリしかありません。このサイズに1000万画素が構築されているのです。CCDメーカーのソニーの偉さがホンと解ります。
ソニーのCCDは各社にて使われています。まあ国産のほとんど。
それが災いし1000万個にもわたるリコールもしちゃったけど。(原因はソニーではなく接着剤だったらしい)
事故の詳細は各メーカーで発表しています。
http://support.d-imaging.sony.co.jp/www/cyber-shot/information/info/top_ccd.html
http://ca.konicaminolta.jp/information/important/ccd/
キヤノン、オリンパス、京セラ、ニコン、ペンタックス、リコーの各社発売の特定機種です。
デジタルカメラ、ビデオカメラで関連商品は100機種を超えるとされています。
これは数年前の事件であり、現在は問題ありません。何度も言いますが原因はCCDの設計ではなく構成部品の質(接着剤)による不具合とのこと。
各社はソニー製とは名言していないが、同時多発や納入状況からソニー製と判断するのが妥当と言われています。
事故は事故ですが、デジタルカメラ、ビデオカメラの牽引車であったことは認めざるを得ません。
ソニー開発のCMOSセンサーは基盤の配列などからニコンD300のCMOSセンサーと同じように見えます。
ニコンは開発ではなく採用と言っているのでそうなのかも知れません。それはニコンD200や各種一眼レフのCCDも同様ですCCDの配線の引き回しなど同じCCDと思われます。コニカミノルタもそうでしたし、ペンタックスもそうでしょう。
当然次世代のペンタックスは同じCMOSセンサーを採用した機種を出してくると考えられます。
ただD3のフルサイズCMOSは感度なども異なり、ニコン新開発に間違いはありません。
ソニーにとってCCDやCMOSのフルサイズ化はさほど困難なことではありません。供給先だけの問題と思われます。
でも、多くのユーザーはこの事を知らないと思います。