パソコンは便利ですが、共通かつ最大の悩みは・・・起動が遅い点でしょう。メモリは揮発性なのでデータを
ハードディスクに保存する必要があるためです。いま人気のPDA端末を使っている人なら、
PCの起動の遅さにはびっくりすることでしょう。それとCPUの熱対策。なんでこんなにCPUは熱を出すのか・・・。
この二つの対策は、エンジニアたちの今後の大きな課題となっているのです。起動については、
やっと先が見えてきました。それは、新不揮発性メモリの登場です。シリコンに替わる新素材で、
電源がなくてもデータを保持し、高速だといいます。少なくとも3~5年後には実用化され、いままでの
イライラは解消されるてことでしょう。CPUとメモリの転送速度によるボトルネックも、チップ内蔵型の
メモリが開発され256ビットで動作可能というのです。
CPUの冷却については、外付けのファンやヒートシンクによる冷却ではもうだめでCPU内部にファンを設置する
方法や、液体ラジエーター式が開発中です。ひとつは、ピエゾ振動子を利用したファンで
羽の長さは100ミクロンという。
液体式も開発中で、どうやって髪の毛ほどのパイプを作るかがネックとなっています。いずれにせよ、
これからはCPUチップ本体に冷却装置は組み込まれるようになり、ファンのけたたましい音とは
無縁のものとなることでしょう。数年後には、PCはPDAのように瞬時に起動し、発熱もせずハードデスクもない
のが当たり前になることでしょう。CPUのクロックは10ギガを超え、10ギガで動作するメモリーによって
あらゆることが可能になるでしょう。
たとえば、これらの高速メモリと1000ギガバイトをこえる記録媒体により、受付ロボットでは、来客が声を発した
瞬間に全てをスキャンし、普通の人間と変わらぬ応対が可能になることでしょう。
人口知能にとって必要なのは、スーパーコンピューターではなくて細分化された不揮発メモリと
超高速な転送速度の二つです。このミクロのPCが数億個は必要です。しかし、もはや実現可能な段階まで
来ているのです。マイクロチップが、さらなる進化をとげるのはもう時間の問題でしょう。