日本パソコン発祥の地は、秋葉原駅前のラジオ会館の7階にあります。
NECが、1976年日本で初めて「TK-80」というパーソナルコンピュータ
トレーニングキットを発売したのです。今はもうNECはそこになく、色々な店が入っていますが、
26年前は「NEC ビットI NN」としてNECのアンテナショップが入っていました。
私はその頃何度となく、そこを訪れていました。
当時は、土日は一日3000人の人が訪れたといいます。
もちろん、当時のパソコンは黒い画面にプログラムを書き込むもので、
0と1しかない画面(今も同じ・・・)で「お宅」の趣味だなあと思ったものでした。
このビットインからソフトバンクの孫氏もアスキーも育っていったのです。
その影響で、1981年Casioの「ポケットコンピュータ PB-100」なんかを買い、
簡単なプログラムをつくりゲームなどをしていました。保存はカセットテープにするものでした・・・。
ラジオ会館も、エスカレーターのあるのは四階までで
五階から上は、知る人ぞ知る人しか昇らないのですが・・・。
七階の階段わきの壁に、丸い銘板が打ちつけられています。
「日本パーソナルコンピュータ発祥の地」の銘板です。
周りはフギュアショップや雑誌など若者専用の店ばかりで、ほとんどの人は
銘板のあることは知らないでしょう。いや、NECがあったということすら知らないと思います。
時代は恐ろしいほど変わってしまいました。
しかし、ラジオ会館の人通りは変わることがありません。
昔のように、若い人々で賑わっています。
どれだけの人が、ここ秋葉原「旧ビットINN」から旅立って行ったことでしょう。
私が1999年、パソコンを初めて買ったのは勿論NECのパソコンでした。
理由は唯ひとつ、NECだったからです。共に同世代を生きてきた物にとって、
NECを選ぶのは正にセオリーだったのです。パソコンを志すものは、
NECを避けては通れないのが本当なのです。
日本にパーソナルコンピュータをひろしめたのはNECだったのですからねえ。
残念ながら、現在はNECは他社に圧されぎみです。
パソコンの群雄割拠のこの時代、
銘板は何を思いたたずんでいるのでしょうか・・・。
※ TK-80 当時で88500円。