秋葉のヤマギワ電気が道路拡張のため取り壊しになって、
内外の高級品オーディオを見る機会が無くなってしまいました。
ベンツが買える程のオーディオ製品がある処は、やはりヤマギワを置いて
他には無かったように記憶します。
しかしたかがCDやレコードの再生に、何百万円の機器が本当に必要なのかと言う人も多いようです。
測定器を持ち出して、一メートル1000円のコードと数万円のコードの音色差は人には認識できない差だと論ずる学者もいます。
そう言う人は、確かに理論と知識が豊富でオーディオ機器を難なく設計し自分で工作もします。
たいした経験者が多いのです。
そして、高級品を売るものと、それを信望するものを時として一笑に付すのです。
というのは、高級品でなくてもそれなりに音が聞こえるからであり、
はっきり言えば1000円のコードと数万円のコードの音色の差はその人に解らないからに他ならないからです。
そして測定器でうなずくのです、やはりこの差は感知外だと・・・。
でも、それは全くちがいます。
ぜんぜん違います。いや、阿保らしいほど違います。
測定器なんて所詮測定器。測れるのは電流だけ。
実は、全ての機械は人間のレベルを超えていません。
ただ増幅しているだけなのです。
たとえば、損失が0.0009%であったとしたら0.009%のものと並べても同じく0.1%以下。
実は先ほどの述べた測定器にはこの差は出ません。
人間の知覚周波数特性は20~20000Hzとされていますが、これは周波数カウンタで測っただけの数値です。
つまり、あくまでも自分は平均者であることを理解する必要があります。
人間には平常音と比してレベルの変化を感知する能力があり、
それらに長けている人が数多く存在するのです。
と言うわけで、真空管です。
暫らくギターとは縁がなかったtokyoですが、楽器店めぐりをして唖然。
ああ、ギターアンプって真空管アンプなんですね。いまだに。
もちろん、安価の物はソリッドですけどほとんどが真空管仕様となっています。
真空管の歪みは独特のものなのでで、いまだ健在と言う所でしょうか。
オーディオ界では真空管は嫌われ者。いや、本当です。
大してパワーは出ないし、出そうとするととんでもなく大きなものになるし。重いし。なにせ熱い。
すぐに音が出ない。切れるんです球が、しょっ中。そうでなくても寿命が短い。
それでなにより、測定器的に性能が劣る・・・・。これ、致命的。
それなのに、なんで真空管?なんでと思いますほんと。
だけど、重くて、熱くてでかいのは本当はオーディオの原点なんです。これをはずすと、音悪くなるんです。
だから真空管なんです。
いや、トランジスタでもいいですまともなら・・・。
つまり、まともなトランジスタアンプは。重くて、熱くて、大きくなるんです。
つまり、真空管と何も変わらんのです。見た目は。
そんで、安価なアンプと比べてもスピーカー程には価格によって音の差が出ません。
だから、上記のような事を言う人が出るわけです。
以前にも書きましたが、随分前軽薄路線に走ったソニーは惨敗し、重量路線に復帰、
性能と技術のソニー神話を築きあげました。
トランジスタ全盛の今日でもこの法則は生きています。CDでも、カセットデッキでも、アンプでも
まず持ち上げて見るのが一番。そして中を見る。銅版の厚さやアルミの量、トランスの大きさ(これ重要)
などを調べます。コンデンサなんか大きくないとダメ。
オープンリールデッキ時代(1970年頃)、ソニー党であるtokyoは当然ソニーのデッキを購入。
出始めたカセットデッキも当然ソニー。(のちのCDも勿論ソニー)
しかし、音質は残念ながらテアックには及びませんでした。友人はテアックでtokyoの物より安物でしたが
ヒスは多いが明らかに音が良い。癖が無い。ソニーは独特なソニートーンがあったように思います。
もっとも原音に忠実なテープは、ソニーではなくTDKでした。ソニー党のtokyoには許せない事でしたが
現実は現実。だけどほとんど買いませんでした。
その理由は、粉落ち。TDKのテープは粉落ちがひどく、ヘッドが度々目詰まりを起こすのです。
それで結局ソニーのテープを使い続けました。
カセットデッキの評価は逆転します。というかティアックの優位は揺るがないのですが、カセットデッキでは
本領を発揮しました。まさにオープンリールを越える音を出すことに成功したのです。
数百人が見守る中、ステージに置かれた大型スピーカー群から流れるフルオーケストラの演奏。
そのすり替え演奏に見事成功したのです。すり替えた瞬間サーっというヒスノイズが湧き上がります。
しかし、それ以外は何も変化はしませんでした。
驚きの瞬間、だれもが耳を疑いました。
それは、本格オーディオ用のカセットデッキがデビューした瞬間でありました。
その後のウオークマンの開発などもあり、カセットデッキの王座は久しいものと記憶します。
実は、カセットデッキにおいてもTDKのテープの粉落ちはやや多めでしたが、オープンリールテープ
程ではなくその素直な特性に惹かれ常用テープとなっていました。
真空管の話から随分それてしまいました。