テクニクスやソニーのみならずオーディオの黄金期には、ヤマハも素晴らしい製品を出し
ていました。
電子ピアノを購入するに当たって、そう言う流れがあったことは否定できません。
NSとは、ナチュラルサウンドの略です。
一貫して、自然で透明な音を追求していたように思います。
原音再生がオーディオですが、高忠実度の中にも色があるのがオーディオの世界です。
それは決して悪いことではありません。
グランドピアノなどアナログの世界の雄でもあるヤマハですが、
楽器の音を知り尽くしているヤマハならではのオーディオも雄と言えるでしょう。
そんなヤマハの製品でも、欲しくても手が出なかった製品があります。
それは。
1974年発売のヤマハのレファレンス・スピーカー
YAMAHA NS-1000M
1974年から23年間も生産が続けられた、国産のモニタースピーカーシステム。
モニタースピーカーなので、フロントにネットの装着は出来ません。
スピーカーを聞くにあたって、グリルネットを必ず付けると言う派と
聴取時は必ず外すと言う派に分かれます。 どちらかと言えば、クラシック音楽派は
グリルネットを付けて、その他は付けないと言うケースが多いと思います。
音の出る前に障害物があってはならない、と言うのがオーディオの基本。
このヤマハのNS-1000Mは、純然たるモニタースピーカーなのです。
余りにも有名なので、自宅でも使いたいと多くのオーデイオファイルは思います。
でも、それは全くの間違いなのです。 モニタースピーカーとは、音楽を楽しんで
聞くための製品ではありません。
つまり、音楽的な音など全く出ません。
見た目の厳格で冷徹そうな隙の無いフォルム、そのものの音しか出ないですね。
高忠実度と言うか、
悪く言えば荒探しのためのスピーカーがモニタースピーカーの役目なんです。
とは言うものの、この研ぎ澄まされた風貌いいじゃありませんか。
しかも振動版はベリリゥムですよ。 柔なアルミなんかじゃありません。
言わばオーデイオファンの、垂涎の的の製品なのです。
いやいや、買おうと思いましたよ。
オーディオに復帰した時に、試聴した事があります。
勿論中古しかなくて、
むむむっと思いましたがやはり音はモニタースピーカーのそれでした。
密閉型なので、低音は弱いです。
残念ながら、購入には至りませんでした。
メインにはならないけど、比較用として欲しいと思いますね今でも。
今自宅にあるB&Wの800Dも、
純然たるモニタースピーカーなのだけれど音が全く違いますね。
このヤマハのスピーカーが、影響を与えたことは否めません。
B&Wの800Dの音がNS-1000Mと違い過ぎるからこそ、
あれば良いなと思うのです。
画像は「オーデイオの足跡」様より引用しました。
ヤマハ プリメインアンプ
YAMAHA CA-1000
1973年発売。 発売時価格9万8000円。
パネルの、洗練された美しさに目が行ってしまいますね。
オーソドックスな作りですが、重量は15.5キロと重めです。
当時の普及価格帯は4万9800円~5万9800円でしたから、9万8000円クラスはハイクラス製
品でした。 駆け出しのサラリーマンには買えない価格ですね。
秋葉原などでのデモ機は10万円クラスが多くて、
そういう機種の音を聞いてランクを下げたのを購入するのがパターンでした。
10万円クラスの製品と4~5万円クラスの製品の違いは使用する材料とそれによる出力だけ
と言っても良いですね。
六畳で小音量で聞く分には、普及機で十分だったと思います。
当時4~5万円クラスの製品は激戦区ですから、音質は落とせなかったのです。
そこで落とすと、スペックアップに繋がりません。
小刻みに製品を揃えて、顧客を確保するのです。
アンプだけではオーディオは出来ませんから、
1万円の差が結構効くのです。
1万円の差は基盤等は同じで、パネルやカバーなどで価格の違いを出します。
電源部などのトランスやコンデンサーは出力に比例しますから、
出力を下げれば容量も小さくて済みコストダウンは出来ます。
フロントパネルの、厚みとかツマミ類でもコストダウンは出来ますね。
アンプはスピーカーなどと違って、音質に差が出にくいです。
とは言っても、聞き比べすればメーカーによる違いは一目瞭然に出ます。
何処からその差が出てくるのかと言う事もありますが、
それを言い出すとキリがないのがオーディオの世界です。
画像は「オーデイオの足跡」様より引用しました。
現在ヤマハ製品で家にあるのは数点。 ヤマハの調音パネルです。
比較的安価で、暴れがちな音場を制御できる優れものです。
8年ほど使用しています。