良いとも悪いとも言える。
大きな部屋ならば良く、小さな部屋では良くない。
音は点音源再生が理想だが、狭い部屋だと耳に届くのにバラバラとなる。フォーカスを合わせると身動きも取れなくなる。
但し、離れるとそれらは目立たなくなる。音は距離により減衰するが、マルチスピーカーは個々のスピーカーはレベルを調整できるので再生には都合が良い。
よって良し悪しではなく、使用目的となる。単発はスピーカーによる違いやクロスオーバーなどの問題がないので、自然に聞こえる。
ただ、高音・低音ともにその再生はスピーカーの個々の性能に委ねられてしまう。
黄金期には、単発のスピーカーをボックスに入れて販売することもあった。JBLのスピーカーシステムを山水では販売していた。
単発ではなく、同軸のスピーカーシステムではタンノイがそれにあたるが、良くも悪くも音質はスピーカーの特性に依存する。
無理のない再生音は、音楽再生の原点でもあり、我々が日常に耳にする音の原点でもある。
しかし、スピーカーシステムは、スピーカーを帯域に分けた方が帯域が伸びハイファイになる。
それで、ほとんどのスピーカーシステムは2ウエイや3ウエイのマルチになっている。
最近のスピーカーシステムは音源のばらつきをまとめるために、中広域のスピーカーを近接して配置するようになっていて
かつて流行った高音部のホーン型ツイターはほとんど姿を消して、拡散するドーム型を使用している。
また大型といえどもスリム化は重要なので、多くは低域はスリムにした分小型のウーファーを数本使用する。
マニアが良くやる壁面全体にスピーカーを埋め込むマルチシステムや巨大ウーファーを副え付ける大型システムは、
効率が非常に悪くあらゆる面で構築する意味がない。
ここで誤解のないように。 ここで言うマルチチャンネルとは、サラウンドのことではな
い。4個なり5個のマルチスピーカーを、それぞれのアンプで駆動するシステムの事であ
る。サラウンドのような音場とは全く関係がない。
3ウエイのスピーカーシステムならば、それぞれのスピーカーをそれぞれのアンプで駆動する。オーディオの黄金期には、帯域を20分割し20台のアンプでスピーカーを駆動するデモンストレーションなどが行われた。20チャンネルなどと呼ばれた。
超低域は1メートルくらいのウーファーであったので、マルチチャンネル駆動でないとまともな音は出なかった。空気が動くのが良く分かった。
20チャンネルに使用したプリアンプとメインアンプ。 何れも管球管式。
これが20台壁面のラックに並んだ。知っている人は少ないと思う。
新宿小田急ナショナルショールーム(音の広場) デモは1969年か1970年。
テクニクス ステレオプリアンプ テクニクス30A 74000円 1968年 管球式
テクニクス ステレオメインアンプ テクニクス40A 65000円 1968年 管球式
テクニクス ステレオメインアンプ テクニクス 20A 135000円 1966年 管球式
※手持ちのカタログより掲載しました。
家庭用ステレオシステム テクニクスSC-1600 149000円 1969年
4チャンネルアンプシステム 高域は5HH17と思われます。