黄金期の御三家の中でも、スピカーシステムを多数販売したのはパイオニアだ。
スピカーユニットもたくさん販売していた。16センチのPIM-16A(1700円)は1960年代に開発された名スピカーである。
NHKの放送規格にパスした、業務用のユニットと言っても良い。特性は80Hz-16000Hz、許容入力3W。大箱が必要であった。
シングルコーンスピーカーユニットでありながら、メカニカル2ウエイの設計で高域が伸びている。
黄金期に有名なスピカーのメーカーは、パイオニア、テクニクス、フォスターである。フォスターは当時製品のOEM供給が主だったため、実際のスピーカーシステムはパイオニアやテクニクスと異なり、聴くことはできなかった。
その中でも、パイオニアは豊富なラインナップを誇り、アルテックのような同軸型のセルラホーンを採用したスピカーユニットは人気を博した。
当時スピカーのエッジには、大振幅が取れるウレタンがこぞって採用されていた。しかし、経年によりスカスカにボロボロになるのが欠点であった。
パイオニア同様、スピカーユニットの数はナショナル(テクニクス)も多かった。
しかし、ナショナル(テクニクス)のスピカーはパイオニアに比べやや価格が高かった。また製品のシリーズ化はパイオニアが進んでおり、
これが自作派のレファレンスたる所以である。
なお、他にはBETA-10で有名なコーラルや、高級ホーン型用ドライバーで有名なYL音響などの優れたスピカーメーカーが存在。
栄華を極めた時代であった。
なお筆者は、パイオニア、ナショナル、コーラル、オンキョー、フォスターのスピカーユニットを使用して、マルチスピーカーシステムを構築していた。
使用したスピカーユニットは以下である。
パイオニア PW-20A、PIM-16A、PAX-A20、PT-8A、PM-12F
ナショナル 5HH17、EAS-20PX85
コーラル FLAT-6、10L-50
フォスター FE-83、FE-163、UP-163
オンキョー TW-8A
この他にパイオニアや他のの市販品のスピーカーシステムなども所有。
(オンキョー以外は皆安価な製品ばかりである。)