音が良いかどうかが問題ではない。
何故ならば、自作には理由があるから。
音は個人の感覚のものであり、個人がイマイチと思っている自作スピカーが人には良く聞こえることも多々ある。
これは市販のスピカーでも同じである。
市販のスピカーは幕の内弁当以外の何物でもない。万人向け以外の中庸品である。
それで満足すればそれで良い。
自作しなければならない理由は、人により全て異なる。良い音を出すために自作する人も勿論いる。
よって、自作スピカーが市販品を超えるかどうかは誰にもわからない。
下はオーディオ黄金期の自作システム。とにかくお金がなく、安いもので組んだ。左右が異なるイレギュラーなシステムで、
左右の音圧を揃えるのは苦労した。低音に指向性はないが、中高音は指向性が出る。聴取位置に設定するのがベストではなかった。この音のレファレンスは、当時のテクニクス20チャンネルシステムの音(毎週聞いていた)であった。アンプの量もそうだが、ウーファーは1メートルぐらいあって、空気が揺れた。
実は、当時の自宅システムの詳細なレポートが残っている。それから推測すると、そこそこの音は出ていたようだ。
現在の市販のスピカーを超えていたのかはわからないが、
同じ音でないのは間違いがない。
人の声がスピカーの後ろで聞こえる、そんなことは今のスピーカーでは全くない。
テクニクスの20チャンネルでは、歌手がスピカーの奥で歌っているようで心底驚いた。