高音質CDと言うのがある。
SHMCD スーパー・ハイ・マテリアル・CDの略称だ。通常のポリカーボネイドではなく液晶用のポリ・カーボネイド樹脂を使用している。
これにて読み取り精度が良くなると言うのである。2007年に発表された。同様の技術のHQCDも2008年から採用。
2013年、プラチナSHMCDが発売。反射膜にアルミではなく、純プラチナを蒸着したものだ。
CD製造メーカー、メモリーテックは2015年、さらなる高音質CD、UHQCDを発表。
ポリカーボネードに変わりフォトポリマーを使用して転写段階での精度を上げたと言う。従来の高音質化は材料の見直しであったが、製造方法を根本的に変更したとされる。
CDの元になるスタンパーにはCDの情報が記録されているが、50トンもの圧力をかけても完全に転写することは出来ないと言う。
ポリカーボネードは粘性があり、微小なデータを完全に転写しきれないらしい。いづれにせよ、革新はありがたい。
良く誤解されるのに、CDはエラーが当たり前なのでエラーを補正すれば同じだと言う人がいる。
しかし、それは違う。例えば、従来のメディアで5%のエラーがあった物が、2%に減ったらどうだろう。この差は大きいはずである。
もし、元データが完全に転写されてないとしたらどうだろう。もっと変化は変化は大きいはずである。
極端に言うと製造の段階で例えば98%しかデータを転写できなかったものは、98%が完成品100%のデータなのである。
この2%少なくなったデータを、復元は出来ないのだ。2%はエラーではなく、ロス(データ抜け)なのだ。
この2%少ないデータは、それ自体が確定されたデータなので、その後どんなにアップコンバートしても増えることはない。
従来ロスしていた2%の情報が拾い上げられ、100%転写出来るならば、読み取り時にエラーがあっても音質は遥かに良くなるのだ。
余談だが、3年前にタンゴのCDを買ったのだが、兎に角音が良いのだ。それで不思議に思っていた。それがSHMCDであった。
先日買ったSHMCDには、聞きなれた古い曲がオムニバスで入っているのだが、聴くなり驚いた。音が全く違うのだ。
今までのCDは何だったのかと思う位違う。勿論オリジナル収録だ。