2016年から2025年まで続く現状所有カートリッジにテクニクス200Cがある。
CDに飽きたからアナログ、と言う訳ではもちろんなく、本来の姿に・・・と言う訳。絶対的な性能はともかく、アナログレコードの音は素晴らしい物だ。
50年以上前の音に感動する。
以下は2016年のリポート。
DENONとしては普及品のレコードプレーヤーDP-500M 91800円。量販店では6万円台。(生産終了時価格113300円)
でも、昔はもっと安い物を使ってたから不満はない。第一ダイレクトドライブ、
当時は高くて手が届かなかった。
プレーヤーと聴取位置が離れているので、オートがあればいいなと思う。
CDと違い20分程度なので、頻繁に席を立つのはもう面倒なのだ。
カートリッジを替えると、あれこれ調整が必要になるのでカートリッジが多いのは
決して良い事ではない。
昔のプレヤーと違って、スペアのカートリッジを立てる穴などがないのが残念。
アームの高さ調整も出来ない。しかしながら、それ以外は全く文句のない製品。
DENONの付属カートリッジ。テクニカに似ているなと思ったら、やはりテクニカだった。
生産中止になったオーディオテクニカの最安品、AT10Gと思われる。
非常にメリハリのある元気な音。繊細さはないが、そこそこ聴ける。
レコードのせいか、ちょっと歪っぽくなってしまったので針交換を考える。
ちょっと針先をぶつけたりしたので、痛んだのかも知れない。
購入にあたりMC型は取扱いが面倒だし、価格も高い。
色々調べると、良い物は50000円以上はする・・・。
DENONのDL-103も考えたが、昔さんざん聞いた音なので、今更かとも思う。
放送局のレコードはこれだからね・・・。
取りあえず購入することに。
ナガオカMP-110H。シェル付きで13280円。
DENONの付属カートリッジの調子がいまいちになったので、購入を検討。
針は結構高いし、7~8000円でカートリッジが買えるので購入に決定。
シェル付きのナガオカMP-110Hにした。
音はテクニカAT110Gと似た傾向。やや解像度が良い感じもする。
押入れから、針のないテクニクス200Cの本体を引っ張り出す。
もう針は売っていない。1969年の製品なのだ。
散々探して、やっと新品のデッドストック品を見つける。
音出しは成功、だが出力が低い・・・。
ナガオカやテクニカは5mmV位、テクニクス200Cは2mmVである。
この差は大きい。
日を改めて聴いたら、非常に音が良い。鮮明で繊細だ。分解能もある。
これには少々驚く・・・。
気になるのは、接続端子。変色して金色の輝きはない。それにかなり細めだ。
磨いて、リード線も良いものに変えたいと思う。
1971年10月号のスイングジャーナル誌に、評論家の菅野沖彦氏が「テクニクス200Cの繊細きわまりないデリカシーと高い品位の再生音」と記載した言葉がある。
(1971年スイングジャーナル10月号「SJ選定新製品試聴記」より引用)
CDプレーヤーはいくらでも売っている。しかし、テクニクス200Cはもう売っていない。それに、今現在どれだけの人がこのカートリッジを使っているのだろうか、
それを考えると感無量なものがある。このカートリッジを土台にして、テクニクスのカートリッジは数多く生産された。まさに記念すべき製品なのだ。
使えなくなったカートリッジを、45年以上も持っていたのは奇跡に等しい。そして、今レコード盤をトレースする・・・。
長い眠りから覚めて、何事もなかったように音楽を奏でるのだ。