485-2
大人がはじめてピアノをやるために必要なこと。
③何としても楽譜を読めるようになる事
全く初めてピアノをやる人は、当然のことながら楽譜が読めません。 音楽の授業が苦手
だった人は、楽譜に拒否反応があるかも知れません。
かかる私がそうでした。 ピアノをやりたいのなら、先ず何としても楽譜が読めるように
なることが必須です。 他に理由など存在しません。
あーっ、楽譜無くても空で(そらで)覚えるから全然大丈夫とか、聞けば大体出来るから
とか、それは全くダメです。
目が不自由ならともかく、
楽譜を見ないで弾くことは、ピアノの上達に大きな影響を与えてしま
います。
私は楽譜がだめで、ギターはギターのタブ譜だけ、だからピアノを始めた当時は空で弾い
ていました、それなりに・・・。
耳コピーは実に不確かです、実際に楽譜を手に入れて弾いてみると、調の違いはともか
く、間違いの多さに驚きます。
よって、一から楽譜を読めるように勉強を開始しました。 教本は弾きたい楽譜で十分、
知りたい情報は今の時代ネットでいくらでも手に入ります。
楽譜には、記号や調号など様々なものが記載されており、初めてピアノをやる人にはとて
も大変な壁になります。 音符を理解するのに始まり、
その音符と鍵盤の関係を一致させなければなりません。 指に至っては左右で10本もあ
り、指順と言う、押さえる指の面倒臭い事も付いて回ります。
一本指でもピアノは弾く事が出来ます。 しかし、早くなれば付いていけませんし、指も
痛みます。 五本の指で弾くことは、とても楽な方法なのです。
指番号も、原書ではない楽譜には記載されています。 その通りに弾くことが、無駄のな
い動きになります。 指の長さで、変えることも自由です。
色んな事が盛り沢山、それが楽譜なのです。 楽譜は解答書なのです。
アンチョコなのです。 これを勘違いしてはいけません。
楽譜という解答書を見ながら練習し、身に付いたら楽譜なしで弾
く・・・と言うのが正しいのです。
つまり、弾ける人は楽譜が不要なのです。弾けてないから楽譜を見ながら弾くの
です。
もしくは、楽譜台に楽譜置くのです。 オーケストラで楽譜があるのは、ほかの楽器と合
わせるためにあります。
ピアノ協奏曲は基本そう言う心配があまりなく、楽譜を使用することはほとんどありませ
ん。 置いてあるならば、演奏が盤石ではないのです。
そもそも楽譜は、作曲家の忘備録です。それ以上でも、それ以下でもありません。 記憶
を留め置くために書き置くのが、楽譜なのですね。
詩人や作家が、紙に書き留めるようにする事と同じだと言えます。 紙に書く情報は、非
常に少ないと思います。 そういう時代の、唯一の保存方法だったのです。
ですからクラシック音楽の楽譜にも、印刷時の時期などにより違いがあったりします。
現代音楽は、楽譜のみならず・・・と言うよりは音として楽曲は耳に入ってきます。
歌謡曲やポピュラーしかり、楽譜が出回ることなく音楽は普及していくのです。
メディアのない時代には、楽譜しか音楽を伝える手段が無かったのです。
楽譜を通してしか、作曲家の本意を知ることは出来なかったのです。 ですから、クラ
シック音楽に真の意味の正解は存在しません。
英雄ポロネーズもトルコ行進曲も、エリーゼのためにも、作曲家がいない現在、その楽曲
の真意や本意を知ることは出来ないのです。
ピアノを弾く人は、その無限に広がる可能性を手中にできる唯一の人だと理解します。
だから、楽譜を見て弾かなければいけません。 作曲家の真意を引き出すのも、出さない
のも弾き手次第なのです。
複雑な問題、解くのはあなたです。