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大人がはじめてピアノをやるために必要なこと。
弾けないからこそ見えてくるものがある。
⑦弾きたい曲が全てでありたい
初めてピアノをやろうとして本屋さんに行って、楽譜を見回すと初心者用の楽譜が並んで
います。 ピアノにはランク付けがあって、初めてピアノを弾く人の楽譜はしっかりと線
引きされています。 ですから、ピアノ教室に行ってもそのランク付けで習うのが普通で
す。 その理由は極めて簡単で、レベルが違うと操れなくなるからです。 それは自身で
もしかり、先生でもしかり。 本来は、出来るようにするために教えるのですが、最初か
ら出来ないと分かっているものは教えられません。 そこに、順序立てた教えが存在する
のです。 宿題を与えたり、さあ弾いてみてくださいというのは
ある程度出来るから言えるのです。 そういう点で、大人のピアノは一筋縄では行
かない最たるものです。 弾きたい曲は、弾けないレベルが普通です。
この曲が弾きたいと言って通るのは、ある程度弾けるようになってからの我儘です。
ですから、その辺りを誤解して習いに行っては失敗します。
ピアノは30分や1時間で弾ける代物ではありません。 押せば音が出るので、そのように
組まれたカリキュラムならば弾くことは出来ます、一応は。
しかし、一応です。 面倒臭い事を端折ったのでは、他の曲に応用が効きません。
おピアノ様の、しっぺい返しが待っています。
さて、それでは弾きたい曲を弾くのにはどうしたら良いのでしょうか。 何はともかく、
その楽譜を手に入れましょう。 簡易版じゃないのを手に入れましょう。
それからは③で述べたように、楽譜を読むことから始めます。 楽譜には頼まれないの
に、色々な情報が載せられています。
その情報をくみ取るのが最初の勉強です。 いきなりピアノを弾くような馬鹿なこと
は、決してしないように。 ピアノに対して失礼です、壊れますよ。
弾きたい曲は人質にとってあります。 貴方自身が、逃げないように頑張るのです。
楽譜は逃げません。
ここからは③で述べた通りです。 他の項も見ていただければ分かると思います。
解答書=楽譜とにらめっこで、ただひたすら練習あるのみですが・・・。
最初から家は立ちません。 土台をしっかり作らないと、家は倒れます。
基礎は楽譜の中に沢山入っています。 改めて教本を使うのは時間の無駄です。
ここでひとつ。
弾きたい曲は一つではないですよね。 いや、時間が経つにつれそうなると思います。
ピアノをやるならば、心に響く曲を弾きたいと思いませんか。
クラシック音楽の大曲は、理解するのが大変ですね。 どうしてこういう曲を作ったの
か、その人と成り背景などがとても重要になります。
それなくして曲を弾いたとしたら、どうでしょうか。 音符は道路のように続きます。
でも、目的のない走行は道を辿っているだけになってしまいます。
道は目的のために存在します。 ピアノは弾ければ全てではありません。
どのように鳴ってるのか、どのように響いているのか
それがとても大切なのです。
弾きたい曲を弾いたとき、貴方の心に響くのはピアノの共鳴です。
弦の響きと弾き手の心の響きが共鳴します。
その弦の震えを、大事にして下さい。