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荒れた学校を音楽と詞で立て直そうと尽力した、校長先生(小嶋登)と
音楽の先生(坂本浩美)。
なかなかその思いは生徒に受け入れられず、坂本浩美は真っ直ぐに向かおうと
靴を脱ぎピアノの椅子の上で指揮を執ります。
コーラス部は人員が少なく、男子の参加も少なく廃部の危機にさらされていました。
この坂本浩美の真っ直ぐな気持ちが通じたのか、やると手を挙げたのが反抗し
そっぽを向いていた男子生徒でした。 とても驚いた、と坂本は述懐しています。
定年を迎えるにあたり、小嶋登は何か残るものを残したいと
楽曲の作曲を坂本浩美に依頼します。
坂本浩美は詩を小嶋登に依頼しましたが、一旦は断られました。
しかし、その翌日坂本浩美の机の上には一晩で書き上げた詩が置いてありました。
その詩の内容に感動し、
1時限の空き時間にピアノ室に駆け込みただちに曲の制作に取り組みました。
最初にメロディが浮かんだのは「勇気を翼にこめて」だったそうです。
そこからは天から降ってくるようにメロディが湧き、
僅か15分ほどで曲は完成したそうです。
詩を置いたばかりで、小嶋登が驚いたのは言うまでもありません。
そうして、「旅立ちの日に」は産声を上げました。
その思いは、卒業生に歌をプレゼントすると言うことでした。
たった一度きりと言うことで、サプライズとして先生たちが歌うことにしたのです。
先生たちは曲を吹き込んだカセットテープを、車の中などで繰り返し練習しました。
(※画像は 埼玉県ペタンク・ブール連盟様ホームページより引用)
たった一度きりと言うことで出来た曲でしたが、翌年も卒業式で歌われ
以後毎年卒業式で歌われるようになりました。
暫くは影森中学校だけでしたが、次第に近隣に広がっていきます。
メディア等にも紹介され、2008年には全国に広がることになります。
色々な言葉に翻訳され、世界中で歌われていると言います。
因みにある調査では、全国で最も多くの学校で卒業式に歌われていると言う。
埼玉県の誇りであり、日本の誇りでもあります。