180
いやあ、とんだことでほおり投げていた英雄ポロネーズを練習することに・・・。
実は、この曲情景が浮かんでしょうがないのです。
冒頭部分・・・、戦いの進む故郷ポーランド。周りには沢山の兵士が倒れています。
曲のおどろおどろしい始まりはその悲しみでしょう。
やがて、丘の向こうから馬の足音が聞こえて来ます。幾重にも幾重にもこだまします。
援軍です。
兵隊が姿を現しました。(ここがメインの所ですね。)
誇らしく高々と勝利の旗をなびかせ進んでいきます。
傷つきながらもどの兵士も何とたくましい姿でしょう。
そんな光景が浮かんでしょうがありません。
祖国ポーランドを遠く離れ、ショパンは自分のなすべきことの無力さに
何を感じたのでしょう。
せめて凱旋する自国の軍隊を描くのが、自分に出来る事と思ったのかも知れません。
ショパンは自曲に題名を付すのを好みません。
これは、宮廷奏者としての自重であったでしょう。
それにもかかわらず、この曲は後日「英雄ポロネーズ」と名付けられます。
ついつい名曲ということで、難易度が高いということで選んでしまいがちな
ショパンの曲。
やはり、背景を知ることで曲への取り組みは違ってくるのではないでしょうか。
因みにこの英雄ポロネーズ、難曲ではありません。
指の短い人には弾けないというだけです。
但し省いても、なんら曲が変わる訳でもありません。
躊躇している方は、是非とも挑戦なさってください。
若い方は是非、じっくりと取り組んでください。情景が見えるようになるまで・・・。
え?私ですか。
弾けないですねえ、簡単には。