ずうーっと心に引っ掛かっているレンズがある。昔使ったシグマ28mmF1.8Ⅱである。
残念ながら手放してしまったが、年を経るごとに残念だったと思うレンズである。
短焦点のレンズは他にニコンの50mmがあったが(20年前の話しじゃ)、
路地裏写真には当然不向きの画角であった。
それで、ニコンより安価なシグマを購入した。たしか2万円程度であった。
写りは期待するほどではなく(期待していたのじゃ)、逆光にも弱くフレアーが出て困ったりした。
もっと困ったのはフードで、立派な花形フードが付いているのだがよく外れた。すぐに緩くなりこれには閉口した。
レンズをしげしげと眺めて、なんでシャープに写らないんだろう。そういつも考えていた。
でも、それは思い違いであったようだ。それに気付いたのは、手放して相当な年月が経ってからであった。
当時は自家現像・自家プリントをしていたが、大体はべた焼きで済ませ引き伸ばすことはまずなかった。
それが評価の分かれ目だったのかも知れない。
古い写真をスキャナーで取り込んでいると、どうやらこのレンズで撮ったらしい写真がちらほらと出てくるのだ。なかなかに、シャープである。しっかりと仕事はしていた。
往年のシグマのレンズは、大抵が外装のゴムが経年劣化でべたべたになる悪癖がある。手持ちの数点は大丈夫だが、中古での購入には注意が必要だろう。それで、28mmの古レンズを探すのには躊躇するのも仕方がないことだ。
しかし、もう一度使ってみたいレンズであることは間違いがない。
多分、画面中央のフード付きのレンズがそれである。
シグマ28mmF1.8は1991年頃の発売と思う。
のちに1996年頃Ⅱ型となった。
このレンズはアスフェリカルレンズと銘打たれている。
レンズ前面にはハイスピードレンズとも銘がある。
当然主力のF90Xで使った。Dタイプレンズである。
これは当時現役のF90Xであり、今所持しているF90Xではない。
撮影は2001年。レンズの購入は1995年頃。
ゴムが巻いてあり、高級感はあまりない。
何より、前玉が大きいのが良い。
全てがプリントでありこれもチープ。
しかし、カメラもプリントなので似たようなものだ。
良しとしよう。
下に作例があるが、じつはこのレンズで撮ったのかは定かではない。
当時、28mmのレンズとしては、トキナー28-105mm、タムロン28-200mm、シグマ28mmとあったが
フイルムを見ると、焦点の移動がないのでやはりシグマ28mmではないかと思っている。
カラーネガを中程度の解像度で簡易に取り込んだもので、実際のフイルムやレンズの能力ではないことを
お断りしておく。
撮影年は1995年頃だろうか。
遠くに見えるのはバスガイドである。どうやら研修らしい。
それにしてもシャープな写りだ。歪曲も大変に少ない。
次のコマはガイドにかなり近づいている。
やはり歩いているのだ、ズームレンズではないだろう。
周辺の光量落ちがフルサイズレンズらしい。
左側のみ倍率色収差が出た。フイルムが浮いたらしい。それで補正した。
実際は収差の大変に少ない、歪曲も大変に少ないレンズだと感ずる。
状況判断でシグマとするが、実際はわからない。 何れにせよ、当時のサードパーティ製レンズの描写は決して馬鹿にするようなものではない。 純正に勝るとも劣らないであろう。 根強い人気は、こんなコストパーフォーマンスの高さにもあると言って良い。 価格だけでなく、やはり画質が良くなければ売れるものではない。 世の中のアマチュア諸氏は、このような優れた描写で写真を撮っていたのである。 ブランドや見栄で写真が撮れるものではない、確かに。 デジタルカメラを否定するつもりは全くないが、 フイルムは100パーセント肯定する。 みんな、同時プリントのネガ写真を見てきて、フイルムはこんなもんだとかフイルムはポジでなければとか 恐れ入ったことを言う。わかってないんだよ。 フイルムの(特にネガね)能力を全く出し切っていない。それは、写真雑誌を見てもそうだし写真展をみても そう感じてきた。 いや、じつにフイルムは手強いのだよね。だから、みんな白黒に逃げてしまう。 だめだよ逃げちゃ。カラーを勉強しようね。 D3とかイオスのマークⅡはそれからにしよう。 |
以上。
つづくぞ。