曇りのち晴れ 風の旅人
どんよりとした天気
見るもの全てに色がない・・・
こんな憂鬱な日にはのんびりと歩いていこう
目の前を過るケーブルと幾重にも連なる線路。
ひしめき合う建物。
すべて人間が造ったものばかり。
こんな隙間のような街角に、自分の棲家を重ねて思う。
雲は全てを灰色に染めて去っていく。
やがて、抜けるような青空がついてくるだろう。
電車が走ってくる。
そんな光景も君は止めてしまうんだ。
張り付いた街並みの、向こうに君は向かうのか。
あの橋を君は渡るのか。
写真は時を進めない。
写真というものは、
誰が撮っても同じにはならない。
写真機はそしらぬふりをして、
風景を写し撮る。
真っ白な中に眩い光が。
過ぎ去った月日がそこにある。
写真家は、ただ静かにシャッターを押す。
曇りのち晴れ 風の旅人。
東京写真ギャラリー 古き写真との出あい
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TOKYO PHOTOGRAPH by shayuzin
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